直喩は、「ようだ」「みたいだ」「まるで」「ごとし」などを使って、二つのものをはっきり比べる表現です。名前より、「何にたとえたことで、どんな感じが加わったか」を見ると面白く読めます。
水たまりが、鏡のように空を映している。
水たまりを鏡にたとえています。「ように」が、たとえであることを示しています。二つに共通するのは、平らな面に景色を映すところです。
直喩を見分ける三つの確認
直喩か迷ったら、見るのは三つです。
- 異なる二つのものがあるか
- 「ようだ」など、たとえを示す言葉があるか
- 二つを結ぶ共通点を説明できるか
たとえば、こんな文です。
彼女の声は、春の風のようにやわらかい。
「声」と「春の風」は別のものです。「やわらかい」という共通する感じによって結ばれています。何を何にたとえているかが明確なので、直喩です。
「ようだ」があっても、直喩でない文
「ようだ」には、たとえ以外の使い方もあります。
空が暗い。もうすぐ雨が降るようだ。
この「ようだ」は、空の様子から雨を予想しています。雨を何かにたとえているのではありません。推測を表す「ようだ」です。
先生が話したように、ノートに線を引いた。
ここでは、「先生が話したとおりに」という意味です。二つのものの共通点を使って情景を表したのではないため、直喩ではありません。
このように、答えを二行で書く。
「このように」は、方法や内容を指しています。これも比喩ではありません。
「ようだ」を見つけたら、その前後にある二つのものを探します。たとえられるものと、たとえるものが見つからなければ、推測・例示・方法など、別の使い方かもしれません。
「みたいだ」「ごとし」も意味を見る
口語の「みたいだ」も、古典語の「ごとし」も、たとえを示すことがあります。
雲が綿菓子みたいに浮かんでいる。
月は氷のごとし。
どちらも、異なるものの似た点を示しているため、直喩です。
一方、「窓の外に立っているのは先生みたいだ」の「みたいだ」は、姿から先生だと推測している言い方です。先生を別のものにたとえてはいません。「みたいだ」も、形だけでは決まりません。異なる二つのものを比べているかを見ると分かります。
直喩は、どんな効果を生むのか
直喩では、たとえるものが明示されるため、読者は二つを比べながら情景を思い浮かべられます。
雪が降っている。
雪が、ちぎれた手紙のように降っている。
二つ目では、雪の白さや薄さだけでなく、「ちぎれた手紙」から、別れや届かなかった思いまで重なってきます。きれいなのに少し痛い、見とれたいのに胸がざわつく。直喩は、そんな複雑な気持ちまで一つの景色に入れられる表現です。

