- 口語詩、文語詩ってなに?
- 口語詩と文語詩はどう見分ければいいの?
このように悩まれたことはあるでしょうか?
国語の授業で、口語詩や文語詩を重点的に説明することはありません。
そのため、口語詩や文語詩がよく分からないという方も多いかと思います。
今回は「口語詩と文語詩」について説明していきます。
- 口語詩と文語詩が分かっている
- 口語詩と文語詩を見分ける方法を知っている
このような「分かったさん」になれる記事です。
先に結論を言うと次の通りです。
- 口語詩は話し言葉で書かれた詩
- 文語詩は書き言葉で書かれた詩
- 口語詩と文語詩は文末で見分けるのが簡単
それでは詳しく見ていきましょう。
私は詩について勉強中の会社員です。過去に受験勉強で、詩の基礎知識を学びました。
本記事は、詩を学び直して気づいた学習のコツなどの一部です。
口語詩・文語詩とは?
そもそも口語詩・文語詩とは何でしょう?
- 現代の言葉で書かれた詩 = 口語詩
- 昔の言葉で書かれた詩 = 文語詩
上記のような説明をよく見かけます。
ここでは、口語と文語の本来の意味から、口語詩と文語詩の違いについてお話していきます。
口語と文語の違い
口語 → 話す時に使う言葉
文語 → 文章を書く時に使う言葉
使われ方の違いで、言葉は口語と文語に分けられます。
会話や発表で口から発する言葉が口語で、作文や作詞で手で書く言葉が文語ということになります。
ですので、よくある説明(口語=現代の言葉・文語=昔の言葉)は間違いです。
ですが、現代は文語を使わなくなったので100%間違いとも言えません。
このあたりを深堀りして、理解を深めていきましょう。
文語とは?
現在は日常的に文語が使われることはありません。
SNSやLINEで文章を書いているから、日常的に文語を使ってるって事じゃないの?
このように思われた方もいらっしゃると思いますが、私達が文章で使っている言葉は口語です。
つまり、話し言葉で文章を書いているということになります。
もともとは書き言葉で文章を書いていたのに、今では話し言葉で文章を書いている…この謎を解き明かして行きますよ!
なぜ文語は使われなくなったのか?
- 会話:話し言葉(口語)で話す
- 文章:書き言葉(文語)で書く
もともと、江戸時代までは文語で文章が書かれていました。
現代に置きかえると、LINEでは「なり」や「たり」と書き、電話では「だね」や「ですね」と話すイメージです。
文語でしか文章かけないって面倒くさすぎる。
とくに小説や詩などの創作物では、作者は意図や気持ちを自由に表現したい。それなのに、文語でしか文章を書けないのはナンセンス。
ということで、明治時代の文学者が言文一致運動を行いました。
口語で文章を書こうぜ!小説を書こうぜ!詩を書こうぜ!
っていう運動です。
その結果、会話も文章も口語が使われるようになり、日常的に文語が使われることはなくなりました。
「昔の書き言葉で書かれた詩が文語詩」ということですね。
口語詩・文語詩の見分け方
口語詩と文語詩を見分ける方法について説明していきます。
- 口語 = 話し言葉
- 文語 =(昔の)書き言葉
上記が口語詩と文語詩を見分ける上で、一番大事なポイントです。
これが分からなければ、始めから読み直していただければと思います。
現代詩は口語詩が多い
ほとんどの現代詩は口語詩です!
まず知っておきたいのは、「口語詩である可能性が高い」ということです。
日本の詩の歴史は浅いから、口語詩が多いんです!
日本の詩の歴史は、1882年の「新体詩抄」から始まりました。
つまり、150年弱の歴史。これは世界の詩の歴史から見て、かなり短いです。実は江戸時代までは漢詩がメインでした。
1910年代には口語詩が広まりだしたので、文語詩は1882年から1910年代までの30年ほどしか書かれていません。
日本の詩の歴史で、文語詩が書かれた期間は30年程度と短いです。なので、『ほとんどの現代詩が口語詩です!』と言えるはずです。
歴史的仮名遣い=文語詩ではない
口語詩と文語詩を見分ける上で、歴史的仮名遣いは避けて通れません。
歴史的仮名遣いとは、現代とは異なる昔の仮名遣いのことです。つまり、昔の言葉。
歴史的仮名遣いが出てきたので文語詩だと思ったのに、口語詩だった!!
口語と文語の意味を分かっていないと、こういった事態におちいります。
もう一度振り返りましょう。
- 口語 = 話し言葉
- 文語 =(昔の)書き言葉
ですので、歴史的仮名遣いを使いつつ、話し言葉で書かれた詩は口語詩です。
「昔の言葉なのに口語詩」ってパターンが難しいですね。
どのような文章になるのか具体例を見てみましょう。
- てふてふが舞ってます:口語
- てふてふ舞ひたり:文語
「てふてふ」は歴史的仮名遣いで「蝶」のことをさします。なので、どちらの文章も歴史的仮名遣いが使われています。
ですが、①の「舞ってます」は話し言葉です。①は口語であると見分けられます。
②の「舞ひたり」は書き言葉。②は文語であると見分けられます。
まぁ、それでも、ややこしいなぁ・・・
という方のために、もっと簡単な見分け方を考えましたので、次項で説明していきますね。
文末で見分ける方法
口語詩と文語詩を見分けるには、詩の文末に注目してみましょう。
文末に「馴染みのある言葉」が出てくれば、口語詩の可能性が高いです。
- 〜だ
- 〜い
- 〜です
- 〜ます
- 〜である
上記のような言葉です。
- 吾輩は猫である
- 筋トレが最強のソリューションである
- パスタが美味かった。また食べたい。
文末に「馴染みのない言葉」が出てくれば、文語詩の可能性が高いです。
- 〜なり
- 〜たり
- 〜し
- 〜けり
上記のような言葉です。
- パスタ美味く候。食べたく候。
- 男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。
- やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。
この方法で、口語詩と文語詩を簡単に見分けられます。
詩の勉強におすすめな参考書
口語詩と文語詩の違いを説明しました。詩は国語の授業で取り上げられる時間も短く、分からないことが残りがちです。
しかも、中学校の教科書では2〜3行で説明を終えているのが大半。これでは理解できません。
そんな時に役立つのが「参考書」。
ぶ厚めの参考書を持っておけば、辞書のように使えて便利ですよ。
詩好きの私としては「自由自在(増進堂・受験研究社)」をオススメします。
また、詩以外の国語の知識もバランス良く掲載されています。
これ一冊で、中学国語の悩みは減り、テストの点数も上がるはずです。