「水槽を立ち上げたあと、30日間は何をすればいいの?」
待っているだけでよいのか、水換えや検査が必要なのか、迷いやすいところです。
結論からいうと、30日は完成までの締切ではなく、状態を確認するための一つの行動例です。ソイル、砂、水草量、ろ材、水温によって進み方は変わります。
30日間の使い方

この予定表で見るのは次の3つです。
- 何を観察するか
- いつ水質を測るか
- どの作業を急がないか
「7日目に魚」「14日目にエビ」と決める表ではありません。
立ち上げ前日まで
すること
- 置き場所と総重量を確認する
- 水槽専用台を組み立てる
- 水平器で前後左右を確認する
- コンセントと水換え動線を確認する
- 水槽、フィルター、ライト、底床、カルキ抜き、水温計をそろえる
- 使うソイルや機材の取扱説明書を読む
- 石や流木を洗い、必要なら沈水確認をする
- 水草の農薬や持ち込み対策を確認する
まだしないこと
- 生体を買う
- 水を入れた後に置き場所を変える
- 商品の説明を読まずに全部組む
0日目|立ち上げ当日
すること
- 水槽台と空水槽を水平に設置する
- 石や流木を仮組みする
- 底床を敷く
- 水草を植える、または活着させる
- カルキ処理した水をゆっくり入れる
- フィルターを始動する
- ヒーター、水温計、照明を確認する
- 漏水、異音、強すぎる水流を確認する
- 水温と初回の水質を記録する
記録すること
- 使用した底床
- 水量
- 水温
- pH
- アンモニア
- 亜硝酸塩
- 硝酸塩
- フィルター開始時刻
- 照明時間
- 水換え量
- 使用した水質調整剤
多項目試験紙だけではアンモニアを測れない場合があります。使う検査用品の測定項目を見ます。
数値が0でも、生体やアンモニア源がなく、そもそも負荷が発生していない場合があります。
0という数字だけでなく、底床、枯れ葉、成熟ろ材、生体追加など、その時点の条件も記録します。
1〜3日目|機材と初期変化を見る
毎日確認すること
- フィルターが止まっていないか
- ホースや接続部から漏れていないか
- ヒーター周辺だけ高温になっていないか
- 水面が適度に動いているか
- 流木が浮いていないか
- 石が崩れていないか
- 水草が抜けていないか
- 枯れ葉や溶けた葉が増えていないか
- 濁りや臭いに変化がないか
水換え
使用したソイルの取扱説明書を見ます。
初期換水が指定されている場合は、その指示を出発点にします。
生体がいない場合でも、アンモニアが高い、水草の溶けが多い、強い濁りや臭いがある時は、原因を取り除いたうえで換水します。
「立ち上げ1週目だから必ず毎日」とは決めません。

4〜7日目|水質の変化を追う
すること
- アンモニアを測る
- 亜硝酸塩を測る
- 硝酸塩とpHも記録する
- 水草の溶けた部分を取り除く
- フィルター吸水口の詰まりを確認する
- 必要な場合だけ水換えする
生体投入
7日目でも、アンモニアまたは亜硝酸塩が検出される場合は、生体を入れません。
反対に両方が0でも、アンモニア源が何もなかった場合は処理能力を確認できていないため、日数だけで投入を決めません。
8〜14日目|日数ではなく安定を見る
確認すること
- アンモニアが検出されないか
- 亜硝酸塩が検出されないか
- 一度だけでなく、同じ条件で安定しているか
- 水温が昼夜で大きく変わらないか
- フィルターが安定しているか
- 水草の大きな溶けが落ち着いたか
- 照明時間が長すぎないか
- コケが出始めていないか
生体を入れる場合
条件がそろった後も、予定数を全部入れません。
最初は少数にし、投入後24時間から数日間、水質と生体の様子を見ます。
エビを入れる場合は、農薬、薬剤、吸水口、隠れ場所、餌になる付着物も見ます。
15〜21日目|負荷が増えた後を確認する
生体を少数入れた場合は、水槽の処理能力が足りているかを見ます。
確認すること
- アンモニア
- 亜硝酸塩
- 魚の呼吸
- 泳ぎ方
- 餌食い
- エビの動き
- 死魚や残餌
- フィルターの流れ
問題が出た場合は、生体追加を止めます。
給餌を減らし、残餌、死魚、フィルター停止などを見て、カルキ処理と温度を合わせた水で必要な量を換水します。

22〜30日目|通常管理へ移れるか確認する
30日近く経っても、確認する内容は同じです。
通常管理へ移る目安
- アンモニアが検出されない
- 亜硝酸塩が検出されない
- 生体追加後も数値が悪化していない
- 水温が安定している
- フィルターが正常
- 強い濁りや臭いがない
- 水草の大きな溶けが落ち着いた
- 換水後に急変しない
条件が整えば、立ち上げ用の高頻度確認から、通常の水換え・測定へ移します。
ただし、生体を追加するたびに負荷は増えます。追加した後は、また数日間変化を追います。
条件によって予定表を読み替える
初期に成分が溶出しやすいソイルでは、メーカーが立ち上げ初期の換水を案内する場合があります。砂や砂利では、ソイルと同じ初期換水を機械的に当てはめません。
成熟ろ材を引き継いだ場合は、一から始める水槽より早く処理能力を持つ可能性があります。
一方で、ろ材を乾燥させた、長時間停止した、生体数を急に増やした場合は条件が変わります。
底床別の水換えは「立ち上げ直後の水換え頻度」、成熟ろ材や種水は「立ち上げを早める方法」で詳しく扱います。
30日間で毎日しなくてよいこと
- 毎日ろ材を洗う
- 毎日底床を深く掃除する
- 毎日水草を植え直す
- 毎日薬剤を追加する
- 毎日商品を買い足す
- 毎日同じ量を機械的に換水する
- 日付だけで生体を増やす
触りすぎると、底床、水草、ろ材、機材の状態を変え、何が原因か分かりにくくなります。

30日後も未完成の場合がある
30日経っても、次の状態が残る場合は、通常管理へ移りません。
- アンモニアが出る
- 亜硝酸塩が出る
- 生体が不調
- フィルターが安定しない
- 水温が大きく変わる
- 強い濁りや臭いが続く
原因を見て、必要なら投入を延期します。
反対に、30日未満でも数値が安定する場合があります。ただし、早く終わらせることを目的にせず、生体を入れた後の変化まで見ます。
予定表より記録表を作る
立ち上げ中に役立つのは、「何日目に何をするか」だけの予定表より、実際の変化を残す記録表です。
最低限、次を残します。
- 日付
- 水温
- pH
- アンモニア
- 亜硝酸塩
- 硝酸塩
- 水換え量
- 生体追加
- 給餌
- フィルター清掃
- 水草の変化
- 濁りや臭い
- 写真
後から振り返ると、何をした後に数値や見た目が変わったか分かります。
30日スケジュールは、待つための表ではない
30日間ただ待つのではありません。
機材、水温、水質、水草、生体を観察し、次へ進めるかを見ます。
7日目、14日目、30日目は区切りとして便利ですが、安全を保証する日ではありません。
生体投入は、アンモニアと亜硝酸塩が検出されないこと、機材と水温が安定していることを見て、少数から始めます。
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