俳句は、五・七・五の十七音を基本とする短い詩です。言葉が少ないぶん、一つの季語や切れが、景色の広がりや気持ちの揺れを大きく変えます。
春風や 五音 門を出る子の 七音 白い靴 五音
「春風」が春の季語です。「や」でいったん立ち止まると、春風の明るさを感じたあと、門を出る子どもと白い靴へ視線が移ります。白い靴の新しさから、新しい始まりへの期待や緊張を重ねて読むこともできます。
五・七・五は文字数ではなく音数
俳句では、上の五音を上五、中央の七音を中七、最後の五音を下五と呼びます。
小さい「っ」や「ん」、長く伸ばす音は一音に数えます。「きゃ」のような小さい「ゃ・ゅ・ょ」は、前の仮名と合わせて一音です。そのため、見た目の文字数と音数が違うことがあります。
俳句は縦書きで一行に書かれることも、上五・中七・下五に合わせて三行で示されることもあります。行数ではなく、声に出したときの五・七・五を見ると分かります。
季語は、短い句の背景を広げる
季語は、特定の季節と結び付いて使われてきた言葉です。「桜」は春、「蝉」は夏、「紅葉」は秋、「雪」は冬の季語です。
先ほどの句では、「春風」から、冬の寒さがゆるみ、新しい季節が始まる空気を感じられます。そこに「門を出る子」「白い靴」が置かれることで、入学や新しい出発まで想像できます。季語は、季節名を知らせるだけでなく、短い句に周りの景色や時間を加えます。
俳句には季語を入れるのが基本ですが、近現代には季語を用いない無季俳句もあります。学校で基本形を作る課題なら、一つの季語を選び、その季語が生きる場面を考えるのが分かりやすい方法です。
切れ字と切れは同じではない
切れ字は、句に区切りや詠嘆を作る言葉です。代表的なものに「や」「かな」「けり」があります。
切れは、意味や調子が大きく区切れることです。切れ字があれば切れを感じやすくなりますが、切れ字がなくても、文の終わり、名詞で止める形、内容の転換などによって切れは生まれます。
また、俳句に必ず「や・かな・けり」のどれかを入れる決まりはありません。切れ字を入れるかどうかより、どこで景色や意味が変わるかを見る方が、句の流れをつかみやすくなります。
例外を基本と分けて考える
実際の俳句には、五・七・五より一音多い字余り、一音少ない字足らず、定型にしばられない自由律俳句があります。季語を使わない作品もあります。
だからといって、俳句は何でもありというわけではありません。五・七・五、季語、切れを基本として知ったうえで、作品がどこを変え、どんな表現を作ったかを読みます。形から外れた部分にも、作者が選んだリズムや間があります。

