押韻は、詩や歌の対応する場所に、同じ音や似た音を置く表現です。「韻を踏む」ともいいます。音がそろうと、言葉同士が手を取り合うように聞こえ、リズムや一体感が生まれます。
空へ行こう 歌を歌おう
二つの行の終わりに「こう」「おう」という似た響きがあります。声に出すと、行末の音が呼び合うように聞こえます。
頭韻と脚韻

どこに似た音が置かれるかによって、代表的な呼び方があります。
頭韻:語や行の初めに、同じ音や似た音を置く 脚韻:語や行の終わりに、同じ音や似た音を置く
頭韻の例
風が駆ける 川がかがやく
行の初めの「風(かぜ)」「川(かわ)」と、続く「駆ける」「かがやく」に「か」の音が重なり、軽く勢いのある調子が生まれます。
脚韻の例
波を越えよう 朝を迎えよう
二行とも「えよう」で終わり、結びの音がそろっています。日本語の詩や歌では、母音の並びが似ていることで韻を感じる場合もあります。
何音そろえば押韻になるのか
「二音そろえば必ず押韻」のような、すべての作品に当てはまる決まりはありません。大切なのは、似た音が対応する位置に置かれ、繰り返しとして耳に届くことです。
たまたま二つの行が「た」で終わっただけなら、過去を表す助動詞が重なった可能性もあります。三行、四行と同じ場所に似た音が続く、重要な語同士の音が対応するなど、作者が音を選んだと考えられる配置を探します。
また、文字が同じでも発音が違えば、耳では韻として感じにくいことがあります。反対に、表記が違っても音が似ていれば、押韻として働くことがあります。黙読だけでなく、声に出すと気づきやすくなります。
同じ言葉の反復との違い
押韻は、言葉の意味よりも音の対応に注目する技法です。
帰ろう、帰ろう。
これは同じ言葉を繰り返しているので、反復法です。「帰ろう」と「語ろう」を対応させれば、別の言葉の中にある「かえろう/かたろう」の似た響きが押韻として働きます。一つの表現に、反復と押韻の両方が含まれることもあります。
韻が崩れる場所にも意味がある
同じ響きが続くと、読者は次も同じ音を予想します。最後だけ違う音で終われば、その行が目立ちます。
進もう 歌おう 笑おう ここで待つ
最初の三行は「おう」の響きが続き、前へ進む勢いが生まれます。次も同じ音が来そうだと感じたところで、最後だけ「待つ」に変わります。勢いのある流れと、立ち止まる動きがぶつかるように聞こえます。押韻の効果は、単に「リズムがよい」ことではありません。どの音が何を結んでいるのか、そろった音や崩れた音が場面の動きや気持ちをどう変えているのかまで見ると、押韻の効果が分かります。
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カテゴリ3|短歌・俳句(記事27〜38)
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