定型詩と自由詩と散文詩の違いとは?【行分けに注目!】

詩は「定型詩と自由詩と散文詩」に分類できます。これらを見分けるポイントは、詩の形式です。

「定型詩」は音数に一定の決まりがある詩で、「自由詩」は音数に一定の決まりがない詩で、「散文詩」は普通の文章のように書かれた詩です。

ここからは「定型詩と自由詩と散文詩の違い」について、さらに詳しく説明していきます。

読み終えた時、次のようになってもらいたいと思います。

  1. 定型詩について知っている
  2. 自由詩について知っている
  3. 散文詩について知っている
  4. これらを見分けられる

「定型詩」と「自由詩」と「散文詩」について

この記事のポイントは、次の通りです。

  1. 定型詩は音数に一定の決まりがある
  2. 自由詩は音数に一定の決まりがない
  3. 散文詩は普通の文章のように書かれた詩
  4. ほとんどの現代詩は自由詩である

定型詩について

定型詩は「定型(決まった音数)で書かれた詩」で、自由詩は「自由に(自由な音数で)書かれた詩」で、散文詩は「散文のように書かれた詩」です。

定型詩は「定型(決まった音数)で書かれた詩」です。

詩の音数とは、1行ずつの言葉の音の数のことです。たとえば次のように数えます。

ふるいけや(5)

かわずとびこむ(7)

みずのおと(5)

松尾芭蕉の俳句です。俳句の音数は575と決まっています。

音数が決まっているものは定型なので、俳句は定型で書かれているといえます。(三段論法!)

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このように、定型詩は行毎の音数が決まっています。五七調や七五調など。

また完璧に七五調や五七調でなくとも、全体的に音数を一定にしようとしている詩は定型詩です。

音数が決まっていると何がいいのか?

「詩っぽさ」が出るのだと思います。伝統的で重厚な雰囲気が、定型詩の特徴と言えるでしょう。

自由詩について

自由詩は「自由に(自由な音数で)書かれた詩」です。

音数がばらばらなのが、自由詩の特徴。現代詩の多くが自由詩の形式をとっています。

自由に言葉を連ねていくことで、自由な表現が可能になります。作家は、自分が言おうとすることを、自分の好きなように詩を書けます。

これが自由詩のメリットです。

文語定型詩と口語自由詩について

定型詩といえば文語。自由詩といえば口語。文語定型詩口語自由詩という組み合わせが多いです。

口語詩と文語詩については、こちらの記事でご確認ください。

口語詩と文語詩の違いが分からない方へ【文末で見分ける方法】

定型詩は昔に好まれた形式でした。日本の詩の歴史は1882年からと、浅い。それまで俳句・短歌・漢詩と、詩歌は定型で書くことが当然だったわけで、詩もその影響を受けたのだと思います。

1910年代に用語が文語詩から口語詩へと移っていったように、形式も定型詩から自由詩へと移っていきました。つまり、文語定型詩から口語自由詩へと、詩の書き方が変わったのです。

散文詩について

繰り返しますが、

定型詩は「定型(決まった音数)で書かれた詩」で、自由詩は「自由に(自由な音数で)書かれた詩」で、散文詩は「散文のように書かれた詩」・・・です。

これらの中で散文詩だけ雰囲気が違います。その説明に音数が出てきません。散文詩は「散文のように書かれた詩」です。

散文とは、僕たちがよく見る「普通の文」です。この記事も散文といえる。散文の特徴は、通常の詩が行う【行分け】がありません。

短かい語句で改行しない。散文詩のカタチを見てみましょう。

このように、あまり【行分け】を行いません。ずらずらずらずらーっと書かれています。

現代詩は自由詩が多い

まず伝えておきたい。「ほとんどの現代詩は自由詩だ!」ってことを。

とはいえ、全てが自由詩ではありません。たとえば、最近でいうと、最果タヒの作品は散文詩ですし。

定形詩と自由詩と散文詩の具体例

最後に、宮沢賢治の詩を見てみましょう。宮沢賢治はいっぱい詩を書いています。

定形詩から自由詩へとトレンドが変わっていく時代を生きた人なので、定形詩と自由詩と散文詩を書いています。

宮沢賢治の定形詩

まずは定形詩から。

風にとぎるゝ雨脚や、

みだらにかける雲のにぶ。

まくろき枝もうねりつゝ、

さくらの花のすさまじき。

あたふた黄ばみ雨を縫ふ、

もずのかしらのまどけきを。

いよよにどよみなみだちて、

ひかり青らむ花の梢うれ。

宮沢賢治の自由詩

続いて自由詩。

雨ニモマケズ

風ニモマケズ

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ

慾ハナク

決シテ瞋ラズ

イツモシヅカニワラッテヰル

・・・

宮沢賢治の散文詩

最後に散文詩。

霧きりがじめじめ降ふっていた。

諒安りょうあんは、その霧の底そこをひとり、険けわしい山谷の、刻きざみを渉わたって行きました。

沓くつの底を半分踏ふみ抜ぬいてしまいながらそのいちばん高い処ところからいちばん暗くらい深ふかいところへまたその谷の底から霧に吸すいこまれた次つぎの峯みねへと一生けんめい伝つたって行きました。

さいごに

定形詩と自由詩と散文詩について説明してきました。もう一度まとめておくと、次の通りです。

  1. 定型詩は音数に一定の決まりがある
  2. 自由詩は音数に一定の決まりがない
  3. 散文詩は散文のような詩
  4. ほとんどの現代詩は自由詩である

定形詩と自由詩と散文詩について、分かっていただけましたか?少しでもお役に立てたなら嬉しいです。

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参考書籍

この記事は【自由自在 中学国語(新装版)】を参考にしている。

非常に詳しく書かれており、面白い参考書でオススメ。