定形詩と自由詩と散文詩の違いが分からない方へ【行分けで見分ける方法】

詩は形式で3種類に分類されます。定形詩・自由詩・散文詩です。この記事では、定型詩・自由詩・散文詩の見分け方をご紹介します。

詩を分類することが何の役に立つのか?と、疑問に思う方もいるかもしれませんが、自分の表現力の引き出しを増やすためだと割り切って、学んでいきましょう。

この記事のポイント

  • 行分けされており、一定の音数で書かれた詩を定形詩という
  • 行分けされており、一定の音数で書かれていない詩を自由詩という
  • 行分けされておらず、普通の文章のように書かれた詩を散文詩という
  • ちなみに、ほとんどの現代詩は自由詩である

定形詩・自由詩・散文詩とは?

まず、定型詩・自由詩は行分けされた詩で、散文詩は行分けされていない詩です。

さらに、行分けされた詩で、一定の音数で書かれていれば定型詩となり、一定の音数で書かれていなければ自由詩となります。

これが定型詩・自由詩・散文詩を見分けるポイントです。ここからは、例をあげて詳しく見ていきましょう。

行分けとは?

定型詩・自由詩・散文詩を分類するには、行分けについて知っておく必要があります。

行分けとは、文を改行して短くし、何行も書いていくことです。行分けされた文章は次のような形になります。

ちなみに、行と行の間に余白を入れた時に生まれる「行の塊」を連といいます。上のオレンジ色の部分です。

定型詩とは?

定型詩とは、行分けされており、一定の音数で書かれた詩です。

少し定型詩について調べてみました。どうやら、定型詩は起源が古いようです。19世紀末までは定型詩が主流でした。

なので、定型詩は文語で書かれることが多いです。文語で書かれた定型詩を「文語定形詩」といいます。

有名な例は、俳句や短歌です。五七五・五七五七七など、決まった音数がありますよね。

自由詩とは?

自由詩とは、行分けされており、一定の音数で書かれていない詩です。

ほとんどの現代詩は自由詩です。

昔は定型詩が主流だったのですが、音数を気にしない自由詩が書かれるようになり、今では自由詩が主流となりました。

なので、自由詩は口語で書かれることが多いです。口語で書かれた自由詩を「口語自由詩」といいます。

散文詩とは?

散文詩とは、行分けされておらず、普通の文章のように書かれた詩です。

普通の文章と同じ形をしていますが、フランスの詩人ボードレールが言うには「音楽的調子が高く、芸術として美しい文章が散文詩である」とのことです。

定型詩・自由詩・散文詩の見分け方

というわけで、行分けに注目すれば、定型詩・自由詩・散文詩を見分けることが出来ます。形が全く違います。

ただ、一つ覚えておきたいことは、ほとんどの現代詩は自由詩だということです。

この記事のポイント

  • 行分けされており、一定の音数で書かれた詩を定形詩という
  • 行分けされており、一定の音数で書かれていない詩を自由詩という
  • 行分けされておらず、普通の文章のように書かれた詩を散文詩という

「定型詩と自由詩と散文詩」の具体例

最後に、宮沢賢治の詩を見てみましょう。宮沢賢治は定型詩も自由詩も散文詩も書いています。

宮沢賢治の定形詩

まずは定形詩です。

風にとぎるゝ雨脚や、

みだらにかける雲のにぶ。

まくろき枝もうねりつゝ、

さくらの花のすさまじき。

あたふた黄ばみ雨を縫ふ、

もずのかしらのまどけきを。

いよよにどよみなみだちて、

ひかり青らむ花の梢うれ。

宮沢賢治の自由詩

続いて自由詩です。

雨ニモマケズ

風ニモマケズ

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ

慾ハナク

決シテ瞋ラズ

イツモシヅカニワラッテヰル

・・・

宮沢賢治の散文詩

最後に散文詩です。

霧きりがじめじめ降ふっていた。

諒安りょうあんは、その霧の底そこをひとり、険けわしい山谷の、刻きざみを渉わたって行きました。

沓くつの底を半分踏ふみ抜ぬいてしまいながらそのいちばん高い処ところからいちばん暗くらい深ふかいところへまたその谷の底から霧に吸すいこまれた次つぎの峯みねへと一生けんめい伝つたって行きました。

さいごに

定型詩と自由詩と散文詩を解説しました。定型詩・自由詩は行分けされた詩で、散文詩は行分けされていない詩です。

さらに、行分けされた詩で、一定の音数で書かれていれば定型詩となり、一定の音数で書かれていなければ自由詩となります。とはいえ、現代詩は自由詩が多いと覚えておきましょう。

次回は「内容で詩を分類してみよう」です。叙情詩・叙事詩・叙景詩の3種類の見分け方をご紹介します。

最後までありがとうございました。

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