詩を勉強していくと、【定形詩・自由詩・散文詩を見分けよう】という問題が出てきます。
しかし、定形詩・自由詩・散文詩の違いに関する説明は少なく、なかなか見分けるのに苦労する人が多いと思います。
ですが安心してください。
そんなに難しいものじゃありません。
この記事では、定形詩・自由詩・散文詩を見分ける方法と具体例、さらに行分けで簡単に見分ける方法をご紹介します。
誰でも簡単に見分けられる方法を編み出しました!
定形詩・自由詩・散文詩とは?
そもそも定形詩・自由詩・散文詩とは何でしょう?
- 決まった音数で書かれた詩 = 定形詩
- 自由な音数で書かれた詩 = 文語詩
- 散文のように書かれた詩 = 散文詩
上記のような説明をよく見かけます。
音数とは?
詩の音数とは、1行ずつの言葉の音の数のことです。
具体例(松尾芭蕉の俳句)を見てみましょう。
ふるいけや :5音 かわずとびこむ :7音 みずのおと :5音
このように、俳句や短歌の音数は「基本的には5・7・5」と決まっています。
定形詩とは?
では、定形詩とはどのようなものでしょう?
定形詩は、一行ずつの言葉の音数に規則性がある詩です。
- 5音と7音が繰り返される:五七調
- 7音と5音が繰り返される:七五調
5音と7音の組み合わせはよく見られるので、上記のように名前がついています。
俳句・川柳・短歌は音数が決まっており、定形詩の仲間と言えそうです。
また七五調や五七調で無くとも、全体的に音数を一定にしていれば、定型詩といえます。
音数が決まっていると何が嬉しいの?
音数が決まっていると「詩のリズム」が生まれやすいのだと思います。
昔に書かれた詩は、定形詩が多く、伝統的で重厚な雰囲気を醸し出しています。
自由詩について
次に、自由詩とはどのようなものでしょう?
自由詩は、自由な音数で書かれた詩です。
そして・・・
ほとんどの現代詩は自由詩です。
明治時代の詩人たちが『詩を自由なルールで書きたい』と思い、文語をやめて口語で詩を書き始めたように、定形詩をやめて口語詩を書き始めました。
これがきっかけとなって、現代詩は自由詩で書かれることが主流になったのです。
とはいえ、全ての現代詩が自由詩というわけではありません。たとえば、最果タヒは散文詩ですしね。
散文詩について
最後に、散文詩とはどのようなものでしょう?
散文詩は、普通の文のように書かれた詩です。
散文とは、私たちがいつも見ている「普通の文」です。
この記事も散文と言えますね。
散文の特徴は、行分けが少ないということです。ばんばん改行しません。
定形詩・自由詩・散文詩の具体例
宮沢賢治は詩を多く残しています。文語定形詩から口語自由詩へ変わる時代を過ごした詩人なので、定型詩・自由詩・散文詩を全て書いています。
それぞれご紹介します。
宮沢賢治の定形詩
まずは定形詩をご紹介します。
行分けが同じ長さで行われているのが、定型詩の特徴です。
宮沢賢治の自由詩
続いて、自由詩です。
1行1行が様々な長さで行分けされているのが分かります。これが自由詩の特徴。
宮沢賢治の散文詩
最後に、散文詩です。
ほとんど行分けがされてません。普通の文のように書かれているのが、散文詩の特徴ですね。
詩の勉強におすすめな参考書
口語詩と文語詩の違いを説明しました。詩は国語の授業で取り上げられる時間も短く、分からないことが残りがちです。
しかも、中学校の教科書では2〜3行で説明を終えているのが大半。これでは理解できません。
そんな時に役立つのが「参考書」。
ぶ厚めの参考書を持っておけば、辞書のように使えて便利ですよ。
詩好きの私としては「自由自在(増進堂・受験研究社)」をオススメします。
また、詩以外の国語の知識もバランス良く掲載されています。
これ一冊で、中学国語の悩みは減り、テストの点数も上がるはずです。