序詞とは?枕詞との違いと見分け方

序詞とは?|中学生向け国語解説

序詞は、主に古典の和歌で、あとに続く言葉を導くための少し長い表現です。先に景色や物を見せておき、そのイメージを心の動きへ重ねます。

枕詞と違い、特定の語との決まった組み合わせではありません。作者が一首の内容に合わせて作るため、一般に枕詞より長くなります。

「みちのくの」の歌で確かめる

序詞とは?の図解

河原左大臣の歌です。

みちのくの
しのぶもぢずり
誰ゆゑに
乱れそめにし
我ならなくに

「みちのくの/しのぶもぢずり」は、乱れた模様のある染め物を表し、第四句の「乱れ」を導く序詞です。

歌の中心にあるのは、「あなた以外のだれのために、私の心が乱れ始めたというのか。私のせいではないのに」という思いです。染め物の乱れた模様に、恋によって落ち着かなくなった心を重ねています。自分でも抑えにくい心の乱れが、目に見える模様へ変わります。

序詞は、導かれる語のすぐ前にあるとは限りません。この歌では「誰ゆゑに」が間に入っています。序詞の範囲を探すときは、隣り合う語だけでなく、歌全体の意味を見ます。

序詞を見つける順番

  1. 歌の中心となる出来事や気持ちをつかむ
  2. その前に、景色や物を詳しく述べる部分がないか探す
  3. その部分と、あとに続く語の共通点を考える
  4. 意味、音、掛詞のどれでつながっているか確かめる

先ほどの歌なら、中心は恋による心の乱れです。その前に染め物の模様が置かれ、二つが「乱れ」で結ばれています。

序詞は、前半を削っても大まかな主張が残る場合があります。しかし、序詞は、ただの飾りではありません。染め物の模様を先に見せることで、目に見えない心の乱れが、色や形を持って伝わってきます。

何音以上なら序詞?

序詞は、七音以上になることが多いと説明されます。ただし、音数だけで決めることはできません。長い修飾語や、場面を説明する上句が、すべて序詞になるわけではないからです。

見るのは、後ろの特定の語を導いているか、そのつながりを言葉にできるかです。古語辞典や作品の注釈で、序詞の範囲と導かれる語を確認すると確実です。

枕詞との違い

項目枕詞序詞
使われ方昔からの慣用的な組み合わせ一首の内容に合わせて作られる
長さ五音が多い比較的長いことが多い
かかり方特定の語に直接かかることが多い意味や音を通して後ろの語を導く
見分け方組み合わせを辞書で確認する序の部分と導かれる語の関係を考える

「五音なら枕詞、七音以上なら序詞」という分け方は目安にすぎません。決まった言い回しか、その歌だけの意味の流れを作る表現かを見ると、枕詞と序詞を分けやすくなります。