「口語自由詩」や「文語定型詩」は、二つの分類を組み合わせた名前です。
前半の「口語・文語」は、使われている言葉と文法を表します。後半の「定型詩・自由詩」は、音数や行の形を表します。つまり、「文体+形式」を並べた名前です。
口語詩と自由詩がいつも組み合わさるわけではありません。口語定型詩も、文語自由詩もあります。
四つの組み合わせ

| 分類名 | 文体 | 形式 |
|---|---|---|
| 口語定型詩 | 現代語 | 一定の型がある |
| 口語自由詩 | 現代語 | 一定の型にしばられず、行を分けて書く |
| 文語定型詩 | 古典語 | 一定の型がある |
| 文語自由詩 | 古典語 | 一定の型にしばられず、行を分けて書く |
「朝の風/窓をひらけば……」のように、現代語を五音・七音の型にのせれば口語定型詩です。「春の野に/風ぞ吹きける……」のように、古典語と一定の型を使えば文語定型詩になります。
古典語でも、「われひとり/灯の消えし駅に/夜を待つ」のように決まった音数の型がなければ、文語自由詩です。文体と形式は別々に組み合わせられます。
「口語自由詩」を二つに分けて考える
駅を出ると 雨はもうやんでいた でも傘だけが まだ重かった
現代語で書かれていますが、各行の音数に五・七などの決まった型はありません。行の長さを変えることで、最後の「まだ重かった」に余韻が残ります。これは口語自由詩です。
名前が長く見えても、「どんな言葉で書かれているか」と「どんな形で書かれているか」に分けると、それほど難しくありません。
この例は、現代語が土台なので口語詩、決まった型がないので自由詩です。二つを合わせて「口語自由詩」と呼びます。
理由を言葉にするなら、「現代語で書かれ、各行の音数に一定の型がないため、口語自由詩である」となります。これなら、文体と形式の両方が伝わります。
「叙情詩」「叙事詩」「叙景詩」は内容についての名前なので、これとは別に付けられます。長い分類名も、難しい一語ではありません。「どんな言葉か」と「どんな形か」を続けて言っているだけです。分けて読むと、ぐっと楽になります。

