俳句を作るときは、実際に見た一場面と、その場面に合う季語を組み合わせます。まずは「ちょっと気になった瞬間」を一つ残してみてください。季語から場面を探しても、先に出来事を見つけてから季語を調べてもかまいません。
十七音に説明を詰め込むより、読んだ人の中に景色が広がる言葉を残す方が、俳句らしくなります。
1. 俳句の材料を一文にする

雨上がりの校庭で、かたつむりが白線を横切っていた。
この一文には、場所、天気、生き物、動きがあります。中心にしたいのは、白線を越える小さなかたつむりです。
かたつむりは夏の季語です。季語が決まったら、残りの言葉で何を見せたいかをしぼります。
2. 五・七・五に収める
かたつむり 五音 白線を越す 七音 雨上がり 五音
五・七・五の十七音です。「小さな」「ゆっくり」と書かなくても、かたつむりと白線の組み合わせから、その動きや大きさが見えてきます。白線が大きな境界のように見え、ゆっくり越えていく動きが目立ちます。
元の文にあった「校庭」は入りませんでした。しかし、「白線」から運動場や道路などの場所を思い浮かべられます。すべての情報を残すのではなく、ほかの言葉から想像できるものを削ります。
季語と出来事は、どちらを先に決めてもよい
出来事を先に見つけた場合は、歳時記を開き、その場面にある季語を探します。実際に見た季節と、歳時記での季節が合っているかも見ておきます。
季語を先に選ぶ場合は、その季語を実際に見たり、音や匂いを思い出したりします。「桜なら別れ」「雪なら寂しい」と決めつけなくてかまいません。自分がその季語を見たとき、どんな音や匂い、気持ちがあったかを探してみてください。
季語を入れたあと、同じ季節を説明する言葉が重なっていないかも見ます。「夏の暑い日に蝉が鳴く」のように説明を重ねるより、蝉の声と意外な物を組み合わせた方が、場面が広がることがあります。
切れ字は必ず必要?
俳句に「や・かな・けり」を必ず入れる決まりはありません。先ほどの「かたつむり/白線を越す/雨上がり」にも切れ字はありません。
それでも、季語の「かたつむり」を最初に置き、最後に「雨上がり」を置くことで、生き物の動きから周りの空模様に視線が広がります。切れ字を足すより先に、意味の区切りや言葉の取り合わせができているかを見ます。
音数に合わないときの直し方
- 漢字に読み仮名を付け、一音ずつ数える
- 意味の重なる形容詞や副詞を外す
- 動詞を短い語に替える
- 助詞を変えたとき、意味がずれないか読む
- どうしても必要な言葉なら、字余りとして生かせるか考える
「横切っている」を「越す」にすると短くなります。どちらも移動を表しますが、「越す」には白線を一つの境界として進む感じがあります。短くする前とあとで、意味が変わっていないかを読み比べます。
完成後は、五・七・五を続けて音読します。最後に、季語が句の中で生きているか、説明が多すぎないか、見ていないことまで足していないかを読み返します。十七音に収めることだけが目的ではありません。五・七・五は、一場面を最もよく見せる言葉を選ぶための枠でもあります。

