水合わせと隔離は、役割が違います。
水合わせは温度と水質差を減らす作業。隔離は、病気、寄生虫、薬剤などの持ち込みリスクを下げる作業です。
購入前に見ること

- 同じ販売水槽に死魚がいないか
- 呼吸が速くないか
- ヒレを閉じていないか
- 体表の白点、潰瘍、綿状物
- 異常なこすりつけ
- 極端に痩せていないか
- エビの横倒し、白濁
- 貝の殻と動き
- 販売水槽の薬剤使用
一匹だけ元気に見えても、同じ水槽で病気が出ている場合は購入を見送ります。
最低限の隔離環境
- 生体サイズに合う水槽・容器
- 成熟したスポンジフィルター等
- エアレーション
- 必要な場合はヒーター
- フタ
- 水温計
- 水質検査
- 隠れ場所
- 専用の網、ホース、バケツ
小さな容器ほど水温と水質が変わりやすくなります。
隔離水槽も、アンモニアと亜硝酸塩を管理します。
何日隔離する?
魚の専門資料では、30日以上を隔離の最低期間とする獣医学的な考え方があります。
一方、小型淡水エビや貝まで、すべて同じ30日に固定できるわけではありません。
隔離期間は、生体の種類、入手元、症状の有無、観察目的、専門家の助言を踏まえて決めます。
少なくとも、到着日にすぐ本水槽へ入れる方法と、一定期間観察する方法では、持ち込みを発見できる機会が違います。
器具を分ける
隔離水槽と本水槽で、次の道具を共有すると、水を介して移す可能性があります。
- 網
- ホース
- スポイト
- バケツ
- ピンセット
- タオル
専用品を分け、作業は本水槽を先、隔離水槽を後にします。
使用後は、対象生体と器具に合う方法で洗浄・乾燥します。
輸送水を入れない
生体だけを網やカップで移し、輸送水を本水槽や隔離水槽へなるべく入れません。
販売水槽では、魚用薬剤や銅が使われている場合があります。
銅はエビ・貝などの無脊椎動物へ有害になり得ます。
袋の水を「バクテリア入りの良い水」と考えて本水槽へ入れません。
観察項目
毎日、同じ時間帯に見ます。
- 食欲
- 呼吸
- 泳ぎ
- 体色
- ヒレ
- 体表
- 排せつ物
- 脱皮
- 死亡
- 水温
- アンモニア
- 亜硝酸塩
異常が出た時は、写真と日付を記録します。
予防薬を一律に使わない
症状がない生体へ、複数の薬を自己判断で一律投与しません。
薬剤を使う前に、対象生体と使用条件をラベルで確かめます。
- 対象となる病気
- 魚種
- エビ、貝への安全性
- 水温
- ろ過バクテリア
- 有効成分
- 用量
- 休薬・換水
診断が必要な症状は、販売店や魚類を診られる獣医師・専門家へ相談します。
本水槽へ薬を入れる前に、ろ材、水草、エビ、貝への影響を見ます。
エビ・貝の隔離
- 急な水質変化
- 銅等の薬剤
- 脱皮
- 餌不足
- 水温
- 酸素
魚用の予防薬を、そのままエビ・貝へ使いません。
隔離中もバイオフィルムや適切な餌が必要です。
水草を持ち込む前の確認
- 農薬
- スネールと卵
- ヒルや虫
- 藻類
- 薬剤処理による傷み
水草用の前処理剤を使うなら、対象水草、規定量、処理時間、すすぎ方を商品表示で見ます。
生体と水草を同じ隔離容器へまとめると、薬剤や病気の管理が難しくなる場合があります。
本水槽へ移す前
- 観察期間中に症状がない
- 食欲が安定
- 水質が安定
- 本水槽との温度と水質を確認
- 混泳できる
- 本水槽のアンモニア・亜硝酸塩が問題ない
- 水合わせ手順を準備
- 隔離水槽の水を本水槽へ入れない
隔離できない場合
隔離水槽を用意できない場合でも、次の対応で、リスクを下げます。
- 信頼できる販売店を選ぶ
- 同じ販売水槽の状態を見る
- 輸送水を入れない
- 一度に大量追加しない
- 導入後1週間以上は毎日観察
- 専用器具を用意
- 異常時に移せる予備容器を用意
隔離しないことを「問題ない」とはせず、できない分の監視を増やします。

