情景描写は、場所や景色、天気、音、光など、その場の様子を描く表現です。
でも小説では、ただ背景を説明するためだけに景色を書くとは限りません。
雨が激しくなった。
夕日が差し込んだ。
誰もいない廊下に足音だけが響いた。
こうした描写は、場面の雰囲気を作ったり、人物の気持ちと重なったりします。
だから情景描写が出てきたら、「この景色は今の場面をどんな感じにしている?」と考えてみてください。
暗い、落ち着かない、明るい、静か、さびしい。そういう雰囲気が人物の心情とつながっている場合があります。
「この景色が人物の心情を表している」ってどういうこと?
景色そのものに気持ちがあるわけではありません。
人物の気持ちと重なるように景色が描かれている、ということです。
たとえば、大切な人と別れた直後に「灰色の空から冷たい雨が落ちてきた」と書かれていたら、その暗く冷たい感じが、人物の寂しさと重なって読めるかもしれません。
ただし、「雨=悲しい」と決めつけるのは危険です。
雨の中を人物が楽しそうに走っている話なら、同じ雨でも意味は違います。
情景と心情を結びつけるときは、「景色のどんな感じが、人物のどんな気持ちと重なるのか」を本文に合わせて考えます。
「雨=悲しい」で決めない
雨の場面でも、主人公が笑って走っているなら悲しい情景とは限りません。情景そのものの印象と、人物の行動・心情が本当に重なっているかをセットで見ます。

