帰納法と演繹法とは?

「帰納法」と「演繹法」・・・説明を聞けば、その時は分かった気がするのだが。いやはや、すぐに忘れてしまう。聞けども、聞けども、同じこと。その瞬間、理解しているのだが、翌日には忘れる。いや、1時間も覚えてられない。

内容は覚えていても、どっちが「帰納」で、どっちが「演繹」なのか、などと突っ伏してしまう。そうしているうちに、内容までも忘れてしまう。そんなあなた(僕)を助けたい!

ということで、記憶に残る「帰納法」と「演繹法」の説明をポケッと試みよう。これでも無理なら、もうキレイさっぱりあきらめて、毎回辞書を引く生活に戻ろうと思う。いやそんなことは決してさせない。それでは始めよう。

「帰納法」と「演繹法」について

「帰納法」と「演繹法」を覚えるポイントは次の通りである。

  1. 帰納法と演繹法は「思考法」である
  2. 「帰納法」は出張中の命題を帰ってこさせるイメージ
  3. 「演繹法」は前提をのべて、新たな結論を引き出すイメージ

帰納法と演繹法は「思考法」である

帰納法と演繹法は「思考法」である。「思考法」は、言いかえると「思考の手続き」や「推理」といっても良い。

いきなり話をずらすが、、評論文は「命題」と「証明」で成り立つ。これは以前、【評論文の読み方について】の中で書いたものだが、評論文を読み解くポイントの1つだ。(『評論文が難しい』と思っている方はぜひ読んでみてもらいたい。)

評論文の読み方について【5つのポイント】

一部抜粋すると、次の通りである。

MEMO
  • 「命題」・・・自分の考え・自分の意見・言おうとすること
  • 「証明」・・・「命題」が正しい、正当性があるといえる証拠

「命題」を言うために「証明」をいくつも出す。『こういう話があって、こんな話もあって、あんな話もあるから、こういう「命題」みたいなことが言えるんですよ』と。そして、この進め方には2つのメジャーな方法があって、それが「帰納法」と「演繹法」だというわけだ。

ちなみに、「命題」と「証明」という組み合わせは、国語の世界のものだけではない。数学の世界でも、哲学の世界でも、この組み合わせは出てくる。

「帰納法」は出張中の命題を帰ってこさせるイメージ

帰納法は「個々の具体例から1つの結論を導く方法」である。すこし噛み砕くと、個々の具体例に出張した命題(結論)を「ぱんぱん、はーい、みんな帰ってきてー」と手を叩いて呼び戻すイメージだ。いきなり具体例を見てしまおう。

  • ポッポは弱い。
  • コラッタも弱い。
  • コイキングも弱い。
  • つまり、進化していないポケモンは弱い。

ここで個々の具体例は「ポッポ・コラッタ・コイキングが弱い」で、それらに出張中の命題は「進化していないポケモンは弱い」になる。個々の具体例を前にして「ぱんぱん、はーい、みんな帰ってきてー」とすると、すべての具体例から「進化していないポケモンは弱い」が帰ってきた。

つまり、個々の具体例から1つの結論が帰ってきた。導き出された!これが帰納法だ。

帰納法の利点は「少ない具体例から、絶対に正しい結論を導ける」という点にある。「進化していないポケモンは弱い」という結論から、読み手は他の進化していないポケモン(キャタピー・ヒトカゲ・ピカチュウなど)も弱いんだろうと推測できる。

だが、帰納法には欠点がある。1つでも結論と矛盾する具体例があると、成り立たなくなるということだ。たとえば、進化していないポケモン(ミューツー・フリーザーなどの伝説ポケモン)でも強いものは、確かにいる。

よって、正しいと思っていた「進化していないポケモンは弱い」は疑わしくなってしまう。

このように具体例が不十分な場合、帰納法は使うことができない。という理由で、・・・かは分からないが、中世末にいたるまで「帰納法」は「演繹法」に劣るものとされていたそうだ。(出典:岩波哲学小辞典)

最後に帰納法の覚え方だ。個々の具体例に出張している「命題(結論)」に帰ってきてもらって、1つの結論を導くイメージ。語呂合わせみたいな覚え方だと思われるかもしれないが、このように覚えよう。

「演繹法」は前提をのべて、新たな結論を引き出すイメージ

演繹法は「普遍的な真理から、個々の具体例を説明していく方法」である。すこし噛み砕くと、「「正しいこと」のルールに沿ったものは「正しい」よね?」である。

  1. HPが多いポケモンは強い
  2. HPが多いハピナスは強い
  3. HPが多いケッキングも強い

1が普遍的な真理で、2・3が具体例である。1は絶対に正しいと言えるので、そのルール内でいえる2・3も正しいといえる。

これが進化すると、演繹法は「とある命題を前提として、新たな命題を導く思考法」といえる。すこし噛み砕くと、「「正しいこと」足す「正しいこと」は「正しいこと」だよね?」である。

  1. エスパー系のポケモンは強い。
  2. フーディンはエスパー系のポケモンだ。
  3. つまり、フーディンは強い。

1と2が普遍的な真理で、3が具体例である。1と2は前提と言ってもいい。1と2は絶対に正しい前提なので、それを踏まえた3は絶対に正しいといえるようになる。

上の例は、演繹法でも有名な「三段論法」という。【前提1→前提2→結論】という形だ。教科書や参考書にも三段論法は出てくるので、覚えておきたいキーワードだ。

けれども「三段論法」には使用ルールがある。適当に使ってはいけない。【必ず3つの概念を含むこと】や【前提の1つが否定であれば結論も否定になる】や【前提が2つとも否定だと結論はだせない】など。実際に試してみると、これらのルールがしっくり来るだろう。

また、演繹法にも欠点がある。前提とする命題が正しくないと、全て台無しになってしまう。「エスパー系のポケモンが強い」という前提が正しくなければ・・・たとえばネイティやバネブーが強いかと問われたら、何とも言えない。こうなると、「フーディンは強い」と言えなくなってしまう。

さて、演繹法の覚え方だが良いものがない。語源を見てみたが、演は「のべる」で、繹は「ひきだす」である。演繹法は「前提をのべて、新たな結論を引き出すイメージ」というのが、一番マトモな覚え方だろう。

もしくは「演繹法は帰納法の逆ー!」で覚えよう。

まとめ

以上、「帰納法」と「演繹法」を覚えるポイントを説明した。もう一度まとめておくと、次の通りである。

  1. 帰納法と演繹法は「思考法」である
  2. 「帰納法」は出張中の命題を帰ってこさせるイメージ
  3. 「演繹法」は前提をのべて、新たな結論を引き出すイメージ

この記事の説明で、「帰納法」と「演繹法」を覚えられそうな気がしてきただろうか?もし全く頭に入ってこなかったとしたら、申し訳ないが辞書を引いてほしい。またはポケモンの例文をよく読んで、身に染み込ませてほしい限りである。

参考書籍

この記事は【自由自在 中学国語(新装版)】を参考にしている。

非常に詳しく書かれており、面白い参考書でオススメ。