評論文を読み解くのは難しい。
よく分からないテーマ の話が、どしどしと進んでいく。はじめの一行から何が言いたいのかサッパリわからない。からの、意味不明な現代語の乱発。もう『お前になんか分かってもらいたくないんだよ』っていう書き手の声が聞こえてくる。
でも、そんなことはない。書き手は読み手に分かってもらいたくて書いている。読み手に自分の考えを伝えたい!説得したい!って考えて、評論文を書いている。
僕たちが評論文が難しいと思う原因・・・。それは評論文を読み解くポイントを知らないから。ポイントさえ知ってしまえば、評論文を読み解けるようになる。(と、僕は思います。)
こうして僕は【自由自在 中学国語】という参考書を開いた。そこにはポイントが書いてあった。ということで、今回は評論文を読み解くポイントをまとめてみたい。
ポイントは5つである。「たったの5つ?」という方もいれば「5つもあるの?」という方もいるだろう。また、この記事をよむだけで「評論文がスッキリ読めるようになる!」とは言えない。。けれども頑張ってまとめるんで、ぜひとも参考にしていただきたい。
評論文の読み方について
評論文を読み解くポイントは5つ。結論から言うと、次の通り。
- 評論文の要素を知る
- 段落のつながりを意識する
- 組み立てを把握する
- 修辞法に着目する
- 重要現代語を覚える
評論文の要素を知る
評論文は「命題」と「証明」という要素で書かれている。なぜなら、評論文は自分の考えを読み手に納得させるために書かれるものだからだ。
- 「命題」・・・自分の考え・自分の意見・言おうとすること
- 「証明」・・・「命題」が正しい、正当性があるといえる証拠
その上で、重要なことは「命題」は1つだということ。評論文1つにつき「命題」も1つ。つまり、たった1つの「命題」を探しながら評論文を読み進めていくことが大事である。
また、「命題」はその内容を短い表現でまとめられる。
- ○○は○○である。
- ○○は○○すべきだ。
- ○○は○○だろう。
このような形で、簡単にまとめられる。これが「命題」の特徴だ。一方で、「証明」は複数書ける。
ということで、【評論文は「命題」と「証明」で出来ている】がポイント1だ。
段落のつながりを意識する
段落どうしのつながりを意識すると、「命題」が見えてくる。段落には「形式段落」と「意味段落」がある。普段、何気なく使っている「段落」は「形式段落」を指すが、重要なのは「意味段落」だ。
- 「形式段落」・・・一字下げて改行された一塊のもの
- 「意味段落」・・・形式段落のつながりから、いくつかの形式段落をまとめたもの
うーむ、、「形式段落」と「意味段落」の違いが分かりづらいという声が聞こえてきそうだ。具体例で説明してみよう。
- 人は強い存在であろうか?
- 人はいずれは死んでしまう
- たとえばソクラテスは死んだ
- 釈迦も老子も死んだ
- また、人は一人では生きられない
- 電気を使えるのは他人のおかげだ
- コンビニで買い物できるのも他人のおかげだ
- ゆえに、人は弱い存在である。
上記1〜8のそれぞれが「形式段落」だ。
「形式段落」を「意味段落」で分けると、1、2〜4、5〜7、8となる。そして、この評論文が【問題提起→説明→結論】という流れで書かれていることが見えてくる。この評論文の「命題」は【人は弱い存在だ】である。
この流れを「組み立て」といい、評論文を読み解く上で重要な指針となってくれる。後ほど詳しく説明しよう。
ちなみに、試験でいうと、「意味段落」を把握できれば【接続詞を選ばせる問題】や【指示語の内容を問う問題】に対応できる。どちらも文章読解の頻出問題なので、「意味段落」は絶対に押さえたいポイントだ。
ということで、【段落のつながりを意識する】がポイント2だ。
組み立てを把握する
評論文は「組み立て」を探りながら読み進めていこう。「組み立て」とは、評論文の流れのこと。どんなに難しい評論文であっても、書き手は読み手に納得してもらいたいと思っている。もちろん「組み立て」も工夫している。説得力がある流れになるように。
つまり、評論文の「組み立て」を整理し、論理展開を把握できれば、評論文を読み解く手がかりとなる。
定番の「組み立て」は「三段構成」だ。序論・本論・結論で書かれる。
- 序論・・・問題提起・その理由や目的・話題をふる
- 本論・・・論の展開・色んな考え方・意見を述べる
- 結論・・・まとめ・自分の考えを述べる・しめくくり
これが定番の「三段構成」だが、注意点がある。結論を置く位置が変わるということ。【結論→説明→結び】や【結論→説明→結論】などのパターンもありうる。ご注意を。
ということで、【組み立てを把握する】がポイント3だ。
修辞法に着目する
「修辞法」が出てきたら要チェック。修辞法は「文章に豊かな表現を与えるテクニック」で、様々な種類がある。その中でも、文章に説得力を与える修辞法が、評論文では多く使われる。主な種類を4つ紹介しよう。
- 引用法・・・他人の言葉を引用する
- 列挙法・・・多くのものを列挙する
- 抑揚法・・・否定してから肯定する
- 対照法・・・対比して述べる
この4つが評論文で便利な修辞法だ。このような修辞法が出てくる場所は、書き手が読み手を説得しようと工夫している場所なので、評論文の「命題」が関係する重要な箇所といえる。
ということで、【修辞法に着目する】がポイント4だ。
重要現代語を覚える
重要現代語はたくさん知っている方がお得だ。評論文は、なじみのない言葉がじゃんじゃん出てくる。それも知ってて当たり前のような感じで。なので、言葉は多く知っているに越したことはない。
ただし、一足飛びで知っている言葉は増やせない。どうしても短期間で自分の語彙数を増やしたいのであれば、【現代文単語集】とか【現代文キーワード読解】とかがオススメ。。
とはいうものの、個人的には「言葉は「使う」ことでしか増えていかない」と思う。単語帳だけではなく、評論文をたくさん読み、知らない言葉が出てきたら辞書で引く。この繰り返しが最も効率よく語彙を身につける方法ではないか。と、上から目線で申し訳ないが伝えておきたい。
ということで、【重要現代語を多く知っておく】がポイント5だ。
まとめ
以上、評論文を読み解く5つのポイントを紹介した。もう一度まとめておくと、次のようになる。
- 評論文の要素を知る
- 段落のつながりを意識する
- 組み立てを把握する
- 修辞法に着目する
- 重要現代語を覚える
如何だろうか?この記事の説明で、評論文を読むポイントが、ほんの少しでも伝わっていれば幸いだ。皆さんが評論文の難しさを克服して、いろんな本や文章に飛び込んでいくことを心より願う。
参考書籍
この記事は【自由自在 中学国語(新装版)】を参考にしている。
非常に詳しく書かれており、面白い参考書でオススメ。